放射輸送方程式の解
放射輸送方程式について
以前、放射輸送方程式について、かなりざっくりした導出をしたので以下をご覧ください。
放射輸送方程式の解
以下では、放射輸送方程式の解を導出していきたいと思います。放射輸送方程式の形は以下の通りでした。
\begin{align}
\frac{dI_\nu}{dx}=-\kappa_\nu I_\nu+\varepsilon_\nu
\end{align}
ここで、光学的厚みという物理量を導入します。これは、放射の吸収の強さを示しています。この定義から、
が成り立ちます。これを用いて、放射輸送方程式を変形します。
は源泉関数と呼ばれるものです。
以下では、吸収係数と放射係数が位置に依らず、一定であると仮定します。すると上の源泉関数も一定であり
が成り立ちます。これは、上のからの変数変換からわかることです。
ところでをで微分することを考えると、上の議論から
が成り立ちます。これを変形した放射輸送方程式と見比べると
であることがわかります。この微分方程式は簡単に解けて、その解は
となります。は定数です。
ここで、を初期条件とすると、と定まり、放射輸送方程式の一般解を得ます。